就業規則変更のポイント
   就業規則は一度作ったら永久に安心できるわけではありません。法律の改正、会社の方針転換、企業規模の拡大・縮小、社会情勢の変化など、必要に応じて変更する必要があります。古いままの就業規則をそのまま使っていると、思わぬ労使トラブルが起こる原因となります。

 就業規則は、会社が勝手に変更することはできません。現在の就業規則を変更するには、
変更についての労働者代表の意見書を添えて、変更後の就業規則を労働基準監督署へ届け出なければなりません



 
 就業規則の不利益変更
   就業規則を変更する際に問題となりやすいのが、「不利益変更」の問題です。原則として、就業規則の労働条件を労働者にとって不利に変更することはできません。労働条件を労働者に不利に変更するためには、原則として労働者ごとの個別の同意が必要とされています。この「不利益変更」とは、例えば賃金の減額、就労時間の延長、休日の削減などがあげられます。
 ただし、これには例外もあります。労働契約法では、以下にあげる事情を考慮して、合理的な変更であれば有効になるとされています。

原則 ⇒ 労働者の同意がなければ無効

例外
変更の必要性があり、合理性があれば有効


①労働者の受ける不利益の程度
 当然、不利益の程度が軽微であれば有効とされる可能性は高くなります。給料を10%カットするのと、1%カットするのとでは不利益の程度はまったく違います。また、給与(賃金)、退職金、労働時間といった従業員にとって重要な労働条件の変更と、福利厚生施設の変更・縮小等とでは不利益の程度も違います。

労働条件の不利益変更の必要性
 労働条件を引き下げなければならない理由が、会社に存在するのかどうかです。例えば「給料を引き下げなければ人員を削減しなければならない」という状況であれば、不利益変更もやむをえないと判断されるでしょう。「他の会社と同じようにしたい」「法律で認められた上限まで労働時間を延ばしたい」という理由だけでは、変更の必要性は認められません。特に、賃金、退職金など労働者にとって重要な権利、労働時間などの重要な労働条件の項目の不利益変更については、その不利益を受忍させるだけの高度の必要性が求められます。反対に、福利厚生制度の削減、法律を上回る部分の有給休暇の削減などは、比較的軽度の必要性でも認められるでしょう。
 また、労働条件引き下げを回避するための会社の努力も重要な要素です。労働条件を引き下げる前に、会社がいかにして不利益変更を回避しようと努力したかも問われます。

変更後の就業規則の内容の相当性
 当然ですが、たとえ労働者の合意があっても、法令に違反する就業規則は認められません。例えば、「パートタイマー・アルバイトは社会保険に加入させない」「残業代はすべて基本給に含まれている」などの規定は、従業員が合意していても無効です。
 また、労働協約や労使協定を締結している場合には、就業規則よりも労働協約や労使協定が優先して適用されることになります。ただし、就業規則の内容が労働協約や労使協定を上回る労働条件を定めている場合は、就業規則が優先して適用されます。

④労働組合・労働者等との交渉の状況
 労働組合や各労働者の同意が得られれば一番良い形ですが、必ずしも上手くいくとは限りません。しかし、たとえ他の要件を満たしていたとしても、労働組合や労働者に事前の相談もなしに変更することはできません。最低でも就業規則を作成したときと同様、労働組合または労働者代表の意見書は必要になります。事前に計画を立て、実施までのスケジュールを慎重に決める必要があります。

⑤代償措置やその他の労働条件の改善状況
 例えば「完全週休2日制」だったものを「隔週土曜日出勤」に変更しようとする場合、「基本給を5%上げる」「1日の労働時間を30分短縮する」などの代替措置の有無も、有効か無効かの判断材料となるでしょう。

⑥同種事項についての一般的な状況
 変更しようとする事柄は、同業他社や世間一般的な内容と比べて低水準ではないか、あるいは今までが好条件だった待遇を引き下げるのか、ということも判断材料となります。


 以上を総合的に判断して、不利益変更が有効か無効かを判断することになります。実際に変更する際には、賃金や労働時間など労働者に与える影響が特に大きい事項については、より慎重さが求められます。
 少なくとも、1年に1度は会社の就業規則が現状にマッチしているかをチェックする必要があるでしょう。




 
 対応地域
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