就業規則作成のポイント
    就業規則を新しく作成したり、現在の就業規則を変更・改定する場合には、いくつかの大切なポイントがあります。そのうちの代表的なチェックポイントは以下のようになります。

採用規定を盛り込む
 本来、就業規則は社員に対する労働条件などを規定するものですから、入社前のことについては記載する必要がないとも考えられます。しかし、何らかの理由で内定を取消す場合、会社には解雇と同じような責任が発生します。つまり、正当な理由が無ければ内定取消しは無効とされるおそれがあるのです。そこで、就業規則に内定取消し事由を定めておき、内定者に通知しておくことで取消しを受けた人を納得させる一つの方法となるはずです。

 また、採用の手続を公正に行うことを社員に示すことで、会社に対する信用を得ることにもつながるはずです。
試用期間の取扱い
 多くの企業では、本採用の前に試用期間を設けています。この試用期間中に、正社員として採用するには問題があると判断されれば本採用拒否ということになり、実質的には解雇ということになります。
 そこで、本採用を拒否する場合の理由・手続は就業規則に明示しておくべきです。なお、一般的には通常の解雇よりも本採用拒否の理由の方が広く考えられています。つまり、本採用拒否の方が解雇理由を緩く決めることができると思われます。

 また、病欠が多かったなどの特別な場合には、試用期間の延長もあるということも記載しておきましょう。
③懲戒処分の内容をあらかじめ決めておく
 職場の秩序を保持するにためには、ときには懲戒処分など厳しい対応が必要になることがあります。懲戒処分は、いわば社内での刑罰であり在職している限り前科となるものですから、きちんとした運用が求められます。

 主な懲戒処分を軽い順にあげてみると、訓戒・譴責・減給・出勤停止・降格・諭旨解雇・懲戒解雇といったところでしょうか。これらの懲戒処分を行うには、懲戒処分該当事由をできるだけ詳細に決めておかなければなりません。ただ「会社の秩序を乱したとき」「勤務態度が悪いとき」と記載するだけでは不十分です。といっても全ての行為を網羅することは不可能ですから、最後に「その他、前各号に準じる行為のあるとき」の条項を入れることを忘れてはいけません。

 また、どんな行為がどの懲戒処分になるかも大切なポイントです。労働契約法には「相当性の原則」について定められており、社員の行為に対して不当に重い処分を課すことは権利の濫用として無効とされていますので注意が必要です。

懲戒処分の事由
➀労務提供上の問題行為
 出勤不良、無断欠勤、職場放棄、業務命令違反など
➁物的損害行為
 会社備品の損壊、無駄な浪費など
➂不正、不誠実な行為
 業務秘密の漏えい、会社の信用を失墜させる行為など
④不当な団体行為
 就業時間中の組合活動、不当な目的によるストライキなど

④休暇は有給か無給か
 育児休業・介護休業・生理休暇・慶弔休暇など、いわゆる有給休暇以外にも休暇制度を定めている会社が多いでしょう。これらの休暇は有給でなくても構いませんが、無給とするのであれば就業規則に明示しておくことで余計なトラブルを避けることができます。
 また、長期病欠などの休職制度も同様です。
管理監督者を明確にしておく
 以前話題となった「名ばかり管理職」。これらのトラブルを避けるには、管理監督者がどの役職者かを明示しておくことです。その際、役職手当には残業手当を含むことを明示しておくべきでしょう。
 なお、営業職の営業手当についても、残業手当が含まれていることを記載しておきましょう。
休日の振り替えと代休
 振り替えと代休については、明確に区別していない会社も多いようです。簡単にいえば、休日の振り替えは事前に代わりの休日を指定して休日と出勤日を交代することで、代休は休日に働いてもらった代わりに、後日休みを与えることです。要するに、事前に代わりの休日を特定しているかどうかの違いです。ただし、振り替えの場合には休日割増賃金は不要ですが、代休の場合には割増賃金が必要になります。
 休日出勤を命じて後日休日を与えた場合、その休日が振替なのか代休なのかは大きな違いです。代休であれば休日出勤手当の支給が必要になります。手続等きちんと明示しておきましょう。
⑦適用範囲を明確にする
 この就業規則が適用される従業員の範囲を明確に決めておかなければなりません。適用範囲が定められていなければ、正規社員と非正規社員(アルバイト・パートタイマー・契約社員・嘱託社員など)が同じ条件で雇用されていることになります。アルバイトやパートタイマーを雇用している事業場では、アルバイト・パートタイマー用の就業規則を作成すべきです。
⑧メンタルヘルスに関する規定を盛り込む
 現在、心の病による休業者や休業には至っていないメンタルヘルス不調者が増加しています。メンタルヘルス不調者が発生することで、企業の生産性の低下、他の従業員への負担増、万一自殺者が出た場合の企業イメージの低下、安全配慮義務違反による訴訟リスクなど、企業に多大な影響が出るおそれがあります。これらを回避するため(リスクマネジメントといってもいいでしょう)には、企業全体でメンタルヘルスケアを推進するためのルール作りと、休業者の職場復帰支援策を整備しておく必要があります。
その他
 その他、記載すべき事項として、セクハラパワハラ、企業情報保持(個人情報、会社の機密事項など)、変形労働時間制、パートタイマー・アルバイトにも適用されるのかどうか、退職後に発覚した損害の賠償責任、などにも注意が必要です。
 また、前文又は総則として「経営者の思い」「経営理念」などを記載しましょう。これは、経営者から従業員へのメッセージです。



 
 就業規則の作り方
   就業規則は、労働基準法などに適合していれば基本的にはどういう定めをしても会社の自由です。ただし、どうせ作るならなるべく見栄えを良くしたいものです。そこで、ポイントになるのが条文の記載順序です。
 
 通常、就業規則は第1章・・・、第2章・・・、という章立てをしていきます。基本的なパターンとしては、
総則⇒採用(人事)⇒労働条件⇒賃金⇒服務⇒安全衛生⇒退職・解雇⇒雑則

というような順序で作成します。もちろん会社によって多少違いますが、簡単に説明すると「入社から退職するまでの流れで書いていく」というのが基本的な順序となります。この順序で組み立てておくと内容もわかりやすく、見栄えも良くなります。
 また、最も大事な賃金については、別に「賃金規定」「給与規定」「退職金規定」などを作成しておくことをおすすめします。



 
   労働基準監督署への届出  
   就業規則の届出が義務付けられているのは、常時10人以上の労働者を使用する事業所です。ここでいう労働者とは、「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」をいい、パートタイマーやアルバイトなど雇用形態は問わずすべての労働者が該当します。この場合のの10人とは、その事業場として常時何人ぐらいの労働者を使用しているかで判断されます。普段は5~6人で繁忙期には15人になるという事業場は、常時10人以上とはいえません。反対に普段は12~3人で夏の間だけは7~8人という事業場は常時10人以上と判断されるでしょう。

 常時10人以上を使用している事業所は労働者代表の意見書を添えて、所轄の労働基準監督署へ届出をしなければなりません。なお、この意見書は反対意見であっても構いません。
 しかし、10人未満の会社には必要ないというわけではありません。そもそも就業規則は、役所へ届け出るために作るものではありません。あくまでも会社と従業員とのルールですから、提出する義務があるかどうかは問題ではありません。一人でも従業員を雇用するのなら作成しておくべきです。
 
 また、10人以上とは企業全体の人数ではなく、事業所を単位に計算します。例えば、本社と工場で5人ずつであれば届出義務はありません。しかし、本社と工場で10人ずつになると、本社と工場はそれぞれに作成・届出の義務があります。


就業規則作成の手順

①労働基準法などに違反していない就業規則を作成する

②作成した就業規則について、労働者代表の意見を聞く
(意見書を提出してもらう)

③労働者等の意見を聴取した上で正式な就業規則を作成する

④就業規則に労働者代表の意見書を添えて、労働基準監督署へ届け出る


⑤所定の方法によって、労働者に周知する

 就業規則と一緒に提出する従業員代表の意見書は、反対意見であっても構いません。しかし、始めからどんな意見も考慮しないというのであれば、従業員の不信感は高まるでしょう。従業員の意見を無視した結果、従業員のモチベーションが低下し、業務の運営に悪影響を与えるかもしれません。従業員の意見も採用できるものは採用するという姿勢が大切だと思います。



 
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