就業規則Q&A
  Q.就業規則と違う内容の雇用契約を締結することはできるか? 
 例えば、就業規則では「就業時間は9時から17時まで」と規定されている会社で、特定の従業員だけ「8時30分から17時まで」の契約を結ぼうとする場合です。

 労働条件は労働契約や就業規則などによって決まりますが、特別な合意がある場合はこの合意が優先されます。就業規則は、特別な合意がない部分について適用されます。
 ただし、
就業規則の条件を下回る労働契約はその下回る部分については無効とされ、無効になった部分は就業規則の内容が適用されます。特定の従業員だけ就業時間を長くするのであれば、その分の賃金は上乗せして支払うなど、就業規則を下回らないようにする対策が必要になります。
 就業規則には、「担当する業務によって、就業規則の所定労働時間と異なる契約を締結することがある」などの規定を入れておきましょう。



Q.就業規則に減給の懲戒処分を定めるときの注意点は?
 就業規則には、懲戒規定を定めるのが一般的です。
 譴責・口頭注意から、いくつかの段階を経て、最も重い懲戒処分が懲戒解雇になります。懲戒処分のなかで、最もトラブルになりやすいのは「解雇」ですが、解雇と同じくらいトラブルになりやすいのが「減給」処分です。
 
 減給とは、労働者の本来の賃金から、一定額を差し引く処分です。これを無制限でできるとすると、労働者の生活を脅かすことになりますから、労働基準法では「
1回の額が平均賃金の1日分の半分を超え、総額が一賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えてはならない」とされています。
 ただし、出勤停止や欠勤などで実際に労働していない時間の給与を控除しても減給とはなりません。これを「ノーワークノーペイ」の原則といいます。
 なお、制裁として賞与を減額することも減給にあたります。


Q.服装・髪型等はどの程度まで規制できるか?
 最近では、若い人たちを中心に派手な服装や髪型などをする人も増えています。茶髪・金髪・ヒゲ・入れ墨など、こういった容姿や趣味、嗜好に関することを就業規則で規制することはできるのでしょうか。

 かなり古い判例ですが、平成9年にトラック運転手が茶髪をやめるように会社に言われたが従わなかったために解雇されたケースでは、業務命令の範囲外として解雇は無効と判断されました。だからといって頭髪やヒゲなどは規制できないかというと、必ずしもそうとはいえません。
 どの程度の規制が可能かといえば、「業務の正常な運営に支障をきたすもの」については規制することは可能です。例えば、銀行の窓口業務などは高いレベルでの信用が要求されますから、身嗜みについては細かい規制も可能と判断されるでしょう。
 業務の必要上、個人の趣味・嗜好を規制するのであれば、就業規則あるいは服務規程に明確に規定しておく必要があります。また、採用時に禁止事項を交付し、遵守することの誓約書を提出してもらうことも必要です。
 なお、安全上の理由で制服やヘルメットの装着が義務付けられているにもかかわらず、これに従わなかった場合には、前述の身嗜み以上の処置・処分も可能と考えられます。


Q.社内不倫を禁止できるか?
 本来、男女の交際などは個人のプライベートのことですから、会社が口を挟むことではありません。ただし、従業員の私生活上の行動によって会社が社会的な信用を失ったり、社内の秩序が乱れるような場合には、懲戒処分を課すなどして秩序維持を図る必要があります。
 通常、就業規則の懲戒事由のなかに「職場の風紀秩序を乱した場合」というような記載があると思います。風紀秩序を乱した場合とは、例えば取引先にも関係が知られているとか、他の従業員が気まずい思いをしているという場合が該当します。この場合、まずは内密に注意し、効果がなければ部署を異動するなどの処置をとることになるでしょう。


Q.ライバル会社への転職を禁止できるか?
 企業は従業員に時間やコストをかけて育てます。しかし、せっかく育てた従業員が退職を願い出た場合、それを認めないことはできません。そうすると、企業は大きな損失となります。せめてそのノウハウが、ライバル会社へ流出しないようにしたいと思うのは当然でしょう。
 一方、従業員には職業選択の自由がありますから、全面的に転職を禁止することは難しいところです。間接的ではありますが、制限をする方法としては、「会社の業務で得た秘密・情報は、退職後に外部に漏らさないこと」という規定をおくことです。また、専門技術的な職業であれば、その規制できる範囲は大きくなるでしょう。

 なお、不正目的で営業秘密を漏洩したり、利用することを禁止することは可能です。もしその行為によって損害を受けた場合には、損害賠償等を請求することができます。


Q.従業員のメールチェックはできるか?
 最近では1人1台パソコンを配置するのも珍しくなくなりました。自分専用のパソコンとなれば、業務以外にも使用する人が出てくる可能性も少なくありません。
 従業員のパソコンをチェックすることは、社内秩序維持権・施設管理権に基づき可能です。むしろ、機密情報漏洩、ウイルス感染防止などから考えれば必要なことともいえます。
 ただし、会社の備品といえども、従業員の個人情報・プライバシーへの配慮は必要になります。就業規則。服務規程などにパソコンの履歴・メール履歴をチェックすることを規定しておくことが望ましいでしょう。


Q.出向してきた社員を懲戒処分できるか?
 在籍出向の場合、出向元の会社との雇用関係を継続したまま出向先の指揮命令に従うことになりますので、当然、出向先の就業規則に違反することは許されません。出向先の就業規則に違反する行為があれば、懲戒処分を課すことができます。
 ただし、出向契約書に別段の定めがあればその契約に従うことになります。また、解雇など雇用契約そのものが消滅してしまうような処分は、出向元が行うのが一般的です。


Q.メンタル不調の社員を休職させたいが?
 職場のメンタルへルス対策は、職場環境を良くするために必要不可欠なものになりました。
 うつ病などの精神疾患を発症すると、医師から休養を勧められることが少なくありません。休養が長期間に及ぶのであれば、会社はその従業員に対して休職の措置を取ることになります。
 しかし、医師から休養が必要と診断されても、それを拒否する人も少なくありません。うつ病患者のなかには責任感の強い人も多く、また周囲が心配するほど本人は疾病を自覚していないケースもあります。このようなケースでは、会社は業務命令として休職を命ずることになります。つまり、出勤を禁止することになります。
 業務命令として休職させるには、その根拠として就業規則の定めは必要になります。どんな状況であれば休職を命じるのか、休職期間中の賃金は支給するのか、復職の条件はどうするのか、などをあらかじめ規定しておく必要があります。



Q.パートタイマー用の就業規則を作成しするには、誰の意見を聴くのか?
 パートタイマー用の就業規則を作成するには、労働者代表又は労働組合の意見書が必要になります。ただし労働組合によっては、パートタイマーは加入できない組合もありますから、そのようなケースではパートタイマーの意見を反映させることができません。そこで、パートタイム労働法では、パートタイマー用の就業規則を作成する際には、労働組合に加えてパートタイマー代表者の意見を聴くことを努力義務としています。
 労働組合のない事業場の場合、意見を聴く労働者代表は正社員でも構いませんが、できる限りパートタイマーの代表者の意見も聴くことが望ましいでしょう。


Q.有給休暇の買い上げを規定することはできるか?
 有給休暇(年休)は、労働者に休養を与える制度ですから、有給を取得しないことを条件にして賃金や手当を支給することはできません。また、労働者が買い上げを請求することもできません。
 ただし、これには例外もあります。
 1つは、労働基準法で定められた日数を超える部分の買い上げは認められます。例えば、通常は6ヶ月勤務すると10日間の有給休暇は発生しますが、就業規則等で12日間発生する場合、10日間を超える2日間については買い上げることが可能です。
 2つ目は、退職時に未使用の有給休暇がある場合に、未使用分を買い上げる場合です。退職後は有給休暇を取得することはできませんから、買い上げることが認められています。
 3つ目は、消滅時効によって消滅した部分の買い上げです。有給休暇は2年で時効によって請求権が消滅しますから、2年経過して請求することができなくなった部分を買い上げることが可能です。

 

 当事務所では、就業規則の新規作成から現行の就業規則の見直しまでお手伝いをしています。トラブルになる前に、ぜひ一度見直してみてください。




 
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