無効になる解雇とは
   企業が従業員を解雇するには、労働基準法などによって厳しい制限があります。
 解雇の有効性の判断はその事案ごとに判断しますので一概に有効か無効かを判断することはできませんが、過去の判例等を基にいくつか無効となる事例を挙げてみます。


①解雇制限期間中の解雇
 労働基準法上、以下のように解雇制限期間が定められています。この解雇制限期間中は、たとえ従業員に懲戒解雇事由があっても解雇することはできません。ただし、事業の継続が不可能な場合などは除きます。
 ①労働者が業務上のケガや病気で休業中及びその後30日間
 ②産前産後の女性が休業している期間及びその後30日間

②妊娠・出産を原因とする解雇
 女性従業員が妊娠や出産をしたこと、あるいは妊娠や出産が原因で能率低下や労働不能が生じたことを理由として解雇や不利益な取り扱いをすることは、男女雇用機会均等法によって禁止されています。
 また、妊娠中及び出産後1年以内の女性労働者の解雇は、会社が妊娠等を理由とするものではないことを証明しない限り無効とされます。

③育児休業・介護休業を原因とする解雇
 労働者が育児・介護休業の申出をし又は育児・介護休業をしたことを理由として、解雇その他不利益な取り扱いをすることは、育児・介護休業法によって禁止されています。
 なお、混同しやすいのが産前産後休業中の解雇です。産前42日間(休業申出者のみ)と産後56日間及びその後30日間は、天災事変等を除き解雇することはできません。たとえ労働者に理由があったとしても無効とされます。

④傷病による解雇 
 傷病によって労働できない状態となれば、もちろん普通解雇は可能です。ただし、解雇が有効とされるのは、労務不能期間がある程度長期間におよんだ場合です。どのくらいの期間かという明確な基準はありませんので、職務内容や会社の状況などによって個別に判断することになります。
 一般的には、就業規則によって傷病による休職の規程があると思います。この休職期間が満了しても労務につくことが出来なければ解雇するという会社が多いと思います。ただし、この休職期間が不当に短い場合には、解雇は無効となることが多いでしょう。

⑤国籍・信条・社会的身分を理由とした解雇
 ここでいう「信条」には、宗教上の信仰も含まれています。日本では信仰の自由が保障されていますから、どんな宗教を信じようと個人の自由です。周囲から見ると怪しい宗教に入信していても、そのことを理由として解雇することはできません。
 ただし、会社内で布教活動をしたり、勝手に政治的なチラシなどを掲示したり、業務に悪影響を与えるような行動があれば解雇も可能になります。

⑥私生活上の非行を理由とした解雇
 私生活上の非行については、会社の組織・業務との関連、非行行為の内容、会社内での地位や職種によって、解雇事由に該当するかどうかが判断されます。
 例えば、タクシードライバーの飲酒運転、警備員の窃盗、塾講師のワイセツ事件などは、会社に与える悪影響は大きいので解雇が有効とされる可能性が高くなるでしょう。
 なお、最近では珍しくない社内不倫も私生活上の非行に該当します。この場合も、社内秩序、風紀を著しく乱した場合には解雇も有効とされるでしょう。ただし、女性だけ解雇というような不公平な処分は無効となる可能性が高いでしょう。

⑦正当な理由がない内定の取り消し
 採用内定は、「解約権留保付労働契約」の成立と考えられています。入社前であっても労働契約が成立していますから、内定の取り消しは解雇と同様の制限があります。
 一番多いのは業績の悪化(見込も含む)を理由とするものですが、その場合は業績の悪化状況によって判断されます。内定時には予想できなかった事態が発生し、会社の人員計画が大幅に変更を余儀なくされたというような深刻な事態でなければ、一方的な内定の取り消しは無効となる恐れがあります。ただし、内定者を入社させるために現在雇用している労働者を解雇するというのは問題でしょう。


⑧監督機関等に対する申告を事由とする解雇 
 簡単に言えば内部告発をしたことを理由とする解雇は禁止されています。ただし、その告発が不正な目的(会社の名誉や信用を傷付けるために行われた場合や、個人的な利益のために行われた場合)のために行われた場合は除きます。また、当然のことですが、その内容が真実であるか、真実であると客観的に判断できるものに限ります。

⑨契約期間中の解雇
 期間を定めて雇用契約を結んでいる場合、その契約期間中は会社はその労働者を雇用する義務を負います。しかし、やむを得ない事由がある場合には解雇することもできます。
 この場合の「やむを得ない事由」については、通常の労働者の解雇要件よりも厳格に判断されます。仮に解雇が無効と判断されれば、契約期間満了までの賃金を損害賠償として支払うことになるでしょう。
 このようなトラブルを避けるためには、労働契約の中途解約(解雇)について、雇用契約書に明記しておくことです。


 
 自己都合退職のはずが・・・
   自分から退職すると言って辞めていった元従業員が、突然、「解雇されたから解雇予告手当を支払え」「解雇は無効だ」と訴えてくるケースが少なくありません。これは、雇用保険の基本手当(失業手当)が自己都合退職だとすぐにもらえないこと、就職活動が上手くいかず金銭的に困窮してきたことなどが主な原因だと思います。

 こういったケースでは、退職願や辞表など労働者が自主的に退職したことを証明するものがなければ、解雇は無効として元従業員の復職や退職から現在までの給料の支払いを命じられる可能性があります。一般的な解雇をめぐる争い(裁判に限らず)においては、すべて会社側に立証責任があります。たとえ実際は解雇した事実がなくても、労働者が解雇されたと主張すれば、それを覆すだけの証拠を示さなければ会社側が勝つ見込はほとんどありません。
 理不尽なトラブルを避けるためにも、自己都合退職者からは必ず退職願を提出してもらうことです



 
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