
DVの子どもへの影響 | |||||
家庭内でのDVでは、その被害は子供にも及びます。その被害の態様は次の4つに分類できます。 ①直接的な暴力 身体的暴力・心理的虐待・性的虐待・ネグレクト(育児放棄)・母親からの虐待など ②DVの現場を目撃することの影響 暴力と愛着の繰り返し(DVサイクル)を見続けることで、二面性を持って成長していく可能性があります。また、2004年の児童虐待防止法の改正によって、子供のDV目撃は精神的虐待であると盛り込まれました。 ③世代間連鎖 親から虐待を受けた子供は、自分の子供にも虐待を行う確率が高いといわれています。「男は強い」「女は支配するもの」という考えを持つようになるのでしょう。 ④不安定な生活 母親と一緒に逃げ出した場合、両親が離婚した場合など、金銭的にも精神的にも様々な苦痛や不安を感じることがあります。大人が気付かないうちに、子供たちは深い傷を負うことになります。 ⑤トラウマ トラウマとは、戦争・犯罪被害・災害・被虐待の体験などによって、その後に普段とは違う反応があらわれ、生活に影響を及ぼすような心的外傷のことです。大人でも被害に悩まされる人は多いのですから、子供に与える影響は計り知れません。 トラウマになるような体験をした子供は、主に次のような問題を抱えることになります。 ①大人の力や怒声に対する恐怖 ②母親のケガなどに対する混乱動揺 ③助けられないことへの無力感・罪悪感 その結果、身体的発達の遅れ、言語発達や運動能力の遅れ、不眠・摂食障害、情緒不安定、不登校、非行、自殺願望などへ繋がることもあります。 |
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子どものケア | |||||
家庭内でDVが起こっているとき、子供を現状から救済しなくてはなりません。救済方法は年齢・被害度・緊急度・母親や周囲の意向などによって変わってきますが、いくつか具体例をあげてみます。 ①父親との別居 最も多いのが、母親が子供を連れて家を出る場合です。実家に戻る、新しく住居を借りる、知人宅に住まわせてもらうなど、それぞれの環境によっていろいろです。ここで気をつけなければならないのは、父親が子供を連れ戻しに来たり、学校帰りなどに勝手に連れて行ってしまったりすることがあります。また、子供の学校を手がかりにして母親(妻)の行方を捜そうとすることもあります。 場合によっては、被害者が逃げ出したことを逆恨みし、暴力が激しくなることも考えられます。もしも相手に黙って避難するのであれば、避難先を誰に教えるかは慎重に決めるべきです。 ②児童相談所等への入所 子供に深刻な被害が及んでいる場合は緊急に避難し、子供を加害者から引き離すことが第一です。その避難先として、児童相談所、児童福祉施設などへの入所や一時保護委託を申請するのが一番でしょう。この手続は児童相談所で行いますので、まずは相談に行きましょう。 ③子供と離れずに避難するとき 母子生活支援施設、婦人相談所への一時避難を求めることになります。母子生活支援施設への入所手続は市区町村の福祉事務所で行います。婦人相談所は都道府県単位で設置されていますので、居住地の相談所へ相談に行ってください。 社会福祉法人 全国社会福祉協議会・全国母子生活支援施設協議会 http://www.zenbokyou.jp/index.html 婦人相談所一覧 http://www.gender.go.jp/e-vaw/advice/advice03list.html |
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DVが母子関係に与える影響 | |||||
加害者(父親)が家庭内での絶対的権力者であることがわかると、子供は父親の機嫌をとるようになります。そして、被害者(母親)を無視したり、見下すことを覚えてしまいます。また、多くの加害者は、子供たちに母親のことを悪く言ったり、バカにすることで更に母親の権威をおとしめていきます。 他にも父親が怒るのを母親のせいにしたり、自分が殴られたときに助けてくれない母親を恨んだりすることもあります。ひどいケースでは、自分も母親への虐待に参加することで父親に認めてもらおうとすることもあります。 DV被害者のなかには、「自分にはひどい夫だけど、子供にとっては良い父親です」という人もいます。しかし、良い父親は子供の母親を殴ったりはしません。DVは知らないうちに子供にも影響を与えていることを忘れてはいけません。 |
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